Appleが10月25日に発表した2016年第4四半期(4~9月期)の決算発表では
同グループの売上高は468億5200万ドル(約4.8兆円、前年同期比9%減)、純利益は90億1400万ドル(9,300億円、前年同期比19%減、1株当たり1.67ドル)と、3期連続の減収減益となりました。
Appleが販売している製品別の販売台数で見てみると、iPhoneが4550万台(5.2%減)、iPadが930万台(6%減)、Macが490万台(14%減)。サービス部門ではApple Musicが好調で売上高が前年同期比24%増の63憶2,500万ドルと好調だったものの、Apple全体としては減収となってしまいました。
Apple 地域別の売上高
世界各地域別の売り上げ高ではヨーロッパが108億4,200万ドル(約1.1兆円、前年同期比3%増)、日本が43億2,400万ドル(約4,500億円、前年同期比10%増)と増加したのに対し
アメリカが202億2,900万ドル(約2.1兆円、前年同期比7%減)、中国が87億8,500万ドル(約9,000億円、前年同期比30%減)、他のアジア地域が26億7,200万ドル(約2,800億円、前年同期比1%減)と、特に中国での売り上げが前年同期比-30%と落ち込みが激しくなっています。
中国人の「爆買い」終了、中国政府の政治的な思惑
日本でも2014年~2015年にかけて春節休暇の時期に中国人観光客が日本を訪れ、高額な家電製品や日用品など様々な商品を大量に購入する通称「爆買い」が話題になりましたが、2016年に入り中国政府が海外で購入した製品を国内に持ち込む際の課税を強化したことにより、爆買いをする中国人観光客やブローカーが激減。
(海外製品への課税強化は中国国内製品を購入させる目的もある)
中国の明らかな景気減速もあるでしょうが、そうした中国政府の政治的・経済的な規制もAppleの減収要因となっているのでしょう。
2016年度はApple 15年ぶりの減収減益となるか?
世界最大の統計ポータルサイト「statista」が公表しているAppleの収益グラフを見てみると
2001年のiPod発売以降、右肩上がりで急成長してきたAppleの収益ですが、もしかすると2016年は約15年ぶりとなる減収減益となるかもしれません。
iPhoneシリーズの発売以降、2009年頃からの収益の伸び率が異常とも言えますが、ここにきて分水嶺に立っています。
Appleの株価推移
2015年の5月以降、いったん下落トレンド入りしたと見られたAppleの株価は堅調に推移しています。目先の減収は株価の下落要因になるかもしれませんが、リーマンショックのような世界規模の金融危機や景気の転換が起こらない限りは、大きく株価が下がることはないと思います。
世界の時価総額ランキングで第1位のAppleですが(※2016年9月時点)
余程フォルクスワーゲンや東芝のような致命的な失敗や不正を犯さない限りは、その地位を維持しそうです。