携帯「2年縛り」見直しを 総務省、大手各社に要請へ
スマートフォンなどの通信契約が2年ごとに自動更新される大手携帯電話会社の料金プランについて、総務省は16日、見直しを要請する。2年ごとに訪れる更新期間に解約しないと違約金がかかるしくみが、利用者を不当に縛って選択肢を狭めていると判断した。
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社は現在、契約から2年間は解約しないことを条件に、月額料金を大きく割り引く「2年縛り」のプランを採用している。総務省が6月に都内で実施した調査では、利用者の約9割がこのプランを選んでいた。
契約25カ月目にあたる1カ月の契約更新期間に解約手続きをとらないと、契約は自動で更新される。それ以外の時期に解約すると、9500円の違約金がかかる。契約が更新されたことに気が付かない利用者も多く、不当に顧客を縛っているという批判が出ている。 (朝日新聞7月16日(木)5時39分配信 引用)
どこも横並びの2年縛りと解約金
今やどの通信キャリアのプランを契約しても当たり前に付いてくる「2年縛りと高い解約金」
当初、大手キャリアの2年縛りの言い訳は
新規で携帯(ガラケー)、スマホを購入する場合に、利用者に安く提供するため。
MNPで転入してきた利用者に安く提供した端末やキャンペーンのキャッシュバックなど
2年以内に解約されるとキャリアに損がでてしまうから。
とか言う理由で2年縛りについて説明されていました
大手キャリアでMNPを利用して新規に契約すればiphoneなど最新の携帯電話が
相場の2~3万円ほど安く買えたり、端末によっては0円など無料で提供されたり
確かに大盤振る舞いで利用者にとってもメリットがあると思うのですが・・・
過去にも通信会社に総務省が指摘
もう10年以上前になりますか、2000年代前半に
ソフトバンク(softbank)が台頭し始めた頃
携帯電話は無料(0円、タダ)で提供されるのが当たり前だった時代
携帯電話はタダで手に入るけど結局その分の料金は、毎月支払う通信費に上乗せされ
長く同じ携帯を利用するユーザーほど損をする仕組みで
総務省の指摘を受けてやめた経緯がありますが
今回も「2年縛り」について通信会社には改善してほしい面も多々あります
2年縛りの問題点と誤り、2年縛りが緩くなっても通信費は安くならない
2000年代中盤のガラケー時代にはそこまで2年縛りや
それに関する料金体系にそこまで意識することがなかったのですが
スマートフォンの誕生、普及と例の通信費と携帯端末の値段の表示(利用者に分かりやすいように)の改善が進み始めた頃から
通信費の高騰が始まった気がします
携帯端末自体の高性能化による値段の高騰や
データ通信のトラフィックの増加も通信費高等の要因の一つだと思うのですが
仮に携帯端末を一括で支払い(最新の携帯電話8~9万円、安い機種でも5~6万円)したとしても
・カケホーダイプラン 2年間の定期契約あり:2,916円(税抜2,700 円)
・データSパック(小容量)(2GB):3,780円(税抜3,500 円)
・spモード:324円(税抜300 円)
大手キャリアの通信料金は最低平均6,500円~7,000円程度
これに端末を24回の分割で購入すると月3,000円~4,000円程度さらに通信費が増加します
個人的にカケホーダイプラン(どの会社の携帯電話や固定電話にかけても固定料金で話し放題)
通話し放題でスマホだと月2,700円、ガラケーでは月2,200円(共に税抜)は
料金的に悪くない設定で、人によってはお得なプランだと思うのですが
問題なのが
たった月間上限2GBのデータ通信に月3,500円もかかってしまう
通信費の高騰の最大要因がこのデータ通信費だと思います
近年スマートフォンの登場と高性能化によって、モバイルの携帯端末でも
高画質、大容量のデータ通信が可能になり
家庭のパソコンやゲーム機なみのインターネット利用ができるようになり
普通に利用しても軽くひと月の上限を簡単に越してしまう
その割には月間2GBの上限で料金が3,500円もかかるのでコストパフォーマンス的には最悪
一般家庭のひかり回線やADSLが毎月3,000円~6,000円程度で無制限で使え
炎上騒動が起きているwimaxでさえ制限はあるもののギガ放題では月4,000円程度でそこそこインターネットを利用できるので
いかに携帯電話のデータ通信が割高なのか理解できるでしょう
時代の進化の速さに、料金体系とデータ通信の上限があってない
モバイル回線のスピードは次世代のLTE,4G規格では向上しているのに、通信制限があるせいで生かし切れていない(そのうえ割高)
極めつけはデータ通信(パケット通信)は別に2年縛りの対象でもなく
オプション的な扱いなので、総務省が「2年縛り」の見直しを要求したところで
データ通信の部分の料金は安くならない(何故なら2年縛りの契約対象はカケ放題のプラン部分にしか適用されていないので、仮に料金が安くなったとしてもせいぜい月1,000円くらいでしょう)
調べたのはNTTdocomo(ドコモ)のプランだけなので、他のキャリアのプランは調べてないのですが
横並びの大手キャリアのことなのでどこも同じ条件でしょう
最初から総務省の指摘を計算に入れた料金体系なのか、2年縛りが適用されるのは一部分のみで
たとえ総務省の指摘が入ったとしても
通話(2年縛りの適用部分)に掛かる費用のみ少し安くなるていどで(月500円~1000円前後と予想)
通信費全体で大きく安くなる可能性は低いと思います
結局、通信会社のアリバイ工作で2年縛りの緩和と料金の見直しがあるかもしれませんが
通信費の半分から3分の1程度を占める「割高なデータ通信費」の部分を改善しないと意味がない
通話料金に関してはそこまで高くないと思うので
・データ通信にかかる料金を安くするか、速度制限が掛かる月間の上限を月30GBまで引き上げ
・モバイル端末(ガラケー、スマホ)の速度制限時の最低速度の引上げ(今は128kbps~200kbps)
など料金をそのままにするなら、使用面での改善を望みます
MVNO格安スマホの登場で通信業界に風穴を
格安スマホ(MVNO)を提供している各社の通信プランを見てみると
・データ通信は月の上限1GB(980円)で提供
・月額固定料金で速度500kbpsで使い放題
・解約の縛りも1年~なしのプランも
非常に安く、データ通信の上限も細かく選べて大手キャリと比べて割安でも携帯電話を提供できているので
コスト的に値下げができない訳がないはずなのですが
通信インフラの設備投資や維持に莫大な費用が掛かるのは知っていて
手放しに料金の低下を喜ぶわけでもないのですが
近年の通信業界の料金の高止まりには少しうんざりしています
電力業界みたいに価格競争の波が通信業界に起きてもいいのでは?
各社横並びの通信費にサービスプランの提供だけではなく
もう少し独自の利用者視点のサービスの充実が実現できればいいんですが。