最近は光ファイバーの普及で自宅のインターネット回線(固定回線)は、『光回線』を利用しているご家庭も多いと思います。
光回線といえばADSLよりも速度が速くて快適、動画も読み込みで止まることなく視聴可能なはずが…、なぜか通信速度が遅くて重い……。光回線なのに「夕方以降の時間になると通信速度がかなり低下する」なんていう話を最近多く聞きます。
利用する地域や環境(人口)によって通信速度に差がでるものなのですが、主に光回線の速度低下にはどんな原因があるのか?まとめてみたいと思います。
ひかり回線の通信速度が遅くなる様々な原因
光回線なのに通信速度が遅くなる原因は、利用者側と通信事業者側の2つに分けられます。
まず利用ユーザー側の環境が元で通信速度が遅くなる理由が4つあります。
①パソコンの性能が低い
②LANケーブルに100Mbps規格に対応していない
③無線LANを使用している
④セキュリティソフトに原因がある
①パソコンの性能やスペックが極端に低い
■光回線を契約しているのに通信速度が遅い原因として昔よく言われたのが「パソコンの性能・スペックが低い」です。(CPUの性能やメモリが足りてないと速度があまり出ないと言われていました。)
ただ2010年以降に発売されたWindows7~10搭載のデスクトップやノートパソコンなら性能も高く、普通は最低でも100MbpsのLANポートに対応しているので、最近発売されたパソコンが通信速度低下の要因(ボルトネック)になるケースは少ないと思います。
②LANケーブルが100Mbps以上の速度に対応していない
LANケーブルを使ってパソコンやテレビ等に有線接続する場合はLANケーブルの性能が重要になってきます。
最近のLANケーブルなら「100BASE-TX」規格といって最大通信速度が100Mbpsに対応した製品がほとんどだと思いますが。
とっても古いLANケーブルや、安い製品だと10Mbpsの速度にしか対応していない物もあります。
※最近登場したNURO光等の下り1Gbps以上の光回線をフル活用するためには、インターネットに接続する機器(ルーターやLANポート、LANケーブル)が1Gbps(1000BASE-T)規格に対応していないといけません。
1Gbpsの回線を契約しているのに下り20~30Mbpsの速度しか出ていない場合は、接続機器(パソコン、テレビ、ルーター、LANケーブル)のどれかが、1Gbps規格に対応していない可能性が高いです。
③WiFi通信等の無線LANを使用している
WiFi通信(無線LAN)を利用してインターネットに接続する場合は、無線LANの規格に注意して下さい。
※各WiFi規格別の通信速度は以下の表のとおりです。
無線LAN規格 | 最大通信速度(理論値) |
---|---|
IEEE802.11a | 54Mbps |
IEEE802.11b | 11Mbps |
IEEE802.11g | 54Mbps |
IEEE802.11n | 600Mbps |
IEEE802.11ac | 6,900Mbps |
例えばa.b.gのWiFi規格の通信速度は最大で54Mbps(理論値)。WiFi通信はルーターまでの距離や他の電波の影響も受けるので実行速度は更に低くなります。
b規格にいたっては最大通信速度が11Mbpsし出ないので、有線接続の光回線は下り30Mbps出るのに、無線接続だと実行速度は5Mbps以下になることもあります。
④セキュリティソフトに原因がある
光回線の速度低下にはセキュリティソフトなどの常駐ソフトが原因になることもあるみたいです。
例えば他の機器で問題なくインターネットに接続できる(十分な通信速度がでる)場合は、パソコン本体に原因があります。
①~③で通信速度の低下が改善されなければ、セキュリティソフトの干渉を疑ってみましょう。
光回線なのに速度が遅い理由とは?
光回線といえば昔は高速インターネット通信の代名詞だったのですが、最近はそうでもないようです。利用ユーザー側に速度低下の原因がないとすれば、通信速度が遅い理由は通信事業者側にあることが多いです。
■最近は光回線の速度低下が問題になっている
例えば
・普段は下りで20~30Mbps以上速度が出ているのに夜になると急激に速度が低下する。
・インターネット利用者の多くなる時間帯で、下り2~4Mbps以下にまで遅くなる。
と言った場合は、「光回線の混雑」が速度低下の原因である可能性が高いです。
2015年に開始された光コラボが影響
2015年頃からNTT東日本・西日本が始めた通信事業者向けのサービスが光コラボレーションです。
光コラボとは、NTT東日本・西日本がそれぞれ自社の光ファイバー網(フレッツ光)をプロバイダや他の通信会社に貸し付ける事業です。
ソフトバンクが提供している「Softbank光」もこの光コラボを利用して、NTTから回線を借用してサービスの提供をしています。
光コラボレーションのメリット
光コラボのメリットは、NTT東西としては自社で営業をせずともプロバイダが勝手に光回線の販促をしてくれるので、新規顧客獲得のための広告費用や経費が削減できる。
プロバイダ(通信事業者)としてはNTTブランドのフレッツ光をそのまま借用することができ、巨額な設備投資やインフラ整備をしなくてもフレッツ光と同品質の光回線を借りられるメリットがあります。
光コラボレーションのデメリット
以前からOCNやビックローブ、ソネットと言ったプロバイダはNTTから光ファイバー網を借りてサービスを提供していたのですが、最近はこの光コラボを利用した事業者が更に増加しました。
その影響でNTT系の光回線(フレッツ光)の契約件数が急激に増加→都市部など人口の多い地域では混雑して回線速度の低下が起こってしまったのです。
■また同時期に開始した携帯電話のセット割りがフレッツ光の混雑に拍車を掛ける
2015年から携帯電話会社のNTTドコモやソフトバンクが提供を開始してたセット割り。
携帯電話(スマホ含む)と自宅の固定回線をまとめて契約すれば割引が受けられるサービスがあるのですが、このセット割りの影響で結果として「ドコモ光やSoftbank光の利用者が増加→フレッツ光が混雑する要因」となってしまいました。
NTT東西では現在進行形で光ファイバー網の設備増強を行っていますが、それ以上に利用者の数が増えすぎていて、特にデータ通信量の多くなる夜19~24時の時間帯で、光回線なのに速度が非常に低下する(もしくはプロバイダが速度制限を実施している)現象が起きているのです。
光回線の速度低下についてはプロバイダに文句を言っても仕方がなく、本当は光ファイバー提供元のNTT東日本・西日本が設備の増強や環境改善をしなくてはいけないのですが、契約件数の増加に対応しきれてないのが現状です……。
通信速度が速い光回線はあるのか?
光回線を使用するエリアの混雑状況、プロバイダの利用者数、使用環境によっても速度が違ってくるのですが
光回線の中では「auひかり」「NURO光」が比較的に通信速度が速いと言われています。
■auひかりはKDDI独自の光回線
auひかりはKDDIが保有している光ファイバー網を利用した光回線サービスです。
一部地域ではNTTの回線を借りてauひかりの提供を行っているようですが、全体の評判として通信速度が遅いという話はNTTやソフトバンクほど聞きません。
2016年3月末の時点でFTTH市場における契約件数ではNTT系の光回線が約70%(1926万件)を占めるのに対して、auひかりは約13%(375万件)と全体の利用者が少ない分、通信帯域に余裕が速度が速いようです。
auひかりでは「スマートバリュー」と呼ばれる、光回線と携帯電話のセット割りを行っているのでauユーザーならauひかりを選ぶといいでしょう。
▲SONYグループが提供する老舗のプロバイダ「So-net」
■申し込み条件が厳しいですが首都圏にお住いならNURO光がおすすめ
NURO光の提供エリアは首都圏限定(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県)で、更にNURO光の専用回線が自宅まで引けるかどうかが申し込みの第一条件となっています。
※NURO光の提供エリアはこちらの公式サイトで確認できます。
しかし申し込み条件が厳しい分、利用者が少ないので光回線の中では通信速度がかなり速い方だと言われています。
首都圏にお住いの方は「NURO光」を試してみるのもいいと思います。
■NURO光→今ならお得なキャッシュバック&割引キャンペーン!
【光回線】NTTフレッツ光やSoftbank光なのに速度が遅い理由とは? まとめ
最近流行りのトレンドとしては自宅で使用するインターネット(光回線)と携帯電話の契約は同じ通信会社でまとめるのが主流です。
しかし、現在契約している光回線のスピードに満足しているのなら安易にプロバイダは替えないほうがいいです。
携帯電話とのセット割りは非常に魅力的なのですが、今の光回線サービスは下手に契約先を変更すると通信速度がガクッと下がる場合があるので、現状の光回線に満足しているなら本当に替えないほうがいいです。(※大事なことなので2度いいました。)
もしかしたら今後、通信設備の増強で状況が改善されるかもしれませんが、それまでは光回線を契約するなら「auひかり」か「NURO光」がおすすめです。
【関連記事】ソネットが提供する「NURO光」についてはこちらの記事にてまとめていますので、興味のある方は参考にしてみて下さい。
→月額4,743円で使える下り最大2Gbpsのひかり回線『NURO 光』の情報まとめ